2020.08.25
SECI
SECI(セキ)モデルとは「個人の知識を組織の中で共有化し、共に成長する考え方」のこと
ナレッジマネジメントには 「SECIモデル」 と呼ばれる代表的なフレームワークがある。各個人の知識(暗黙知)を共有する「共同化」プロセス、暗黙知を文書や図表(形式知)に変換する「表出化」プロセス、形式知を組み合わせて新しい形式知を創造する「連結化」プロセス、創造された形式知を各個人が体得する「内面化」プロセス、これらプロセスを繰り返して、組織や個人をともに成長させようという考え方である。
- Socialization(共同化):暗黙力→暗黙知
- Externalization(表出化):暗黙知→形式知
- Combination(連結化):形式知→形式知
- Internalizaion(内面化):形式知→暗黙知
この4つの頭文字をとって「SECIモデル」と呼ぶ。
- 共同化プロセス:暗黙力→暗黙知
実際の経験を通して、メンタルモデルや技能などの暗黙知を創造するプロセス
Ex. ベテラン技術者による実務を通して、若手技術者に知識や技術を継承する
- 表出化プロセス:暗黙知→形式知
個人が所有している暗黙知を言葉や文章といった明示的な形で表現し、参加メンバーと共有するプロセス
Ex. 属人化された情報をマニュアル化し、メンバーに共有する
- 連結化プロセス:形式知→形式知
形式知同士を組み合わせてひとつの知識体系を作り出すプロセス
Ex. 自分が行っている仕事に新たなプロセスやシステムを取り入れ、効率化を図る
- 内面化プロセス:形式知→暗黙知
新たに得た形式知を反復練習を通して体に染み込ませるプロセス
Ex. マニュアルを通して新しいソフトやツールの操作を覚え、マニュアルを見る必要がなくなった
SECIモデル以外にナレッジマネジメントで重要なこと
ナレッジマネジメントにおいては、「SECIモデル」以外の基本要素「場(ba)」「知識資産」「ナレッジリーダーシップ」も重要である。
- 場(ba)
・知識が創造・共有・活用される結節点のこと
・場には様々なものがあり、飲み会で交わされる会話や雑談も「場」である。社内SNSなどのITツールによって提供される場もある
- 知識資産
・ナレッジを企業の知識資産と認め、継承する仕組みのこと
Ex. 全社会議などで決裁者が使えるアイディアはその場で即決採用することで、企業としてスピード感を持って新しいことに挑戦していく体制を構築する
- ナレッジリーダーシップ
・ナレッジマネジメントの成功には、具体的なビジョンを掲げることが重要であり、ナレッジリーダーは、場を活性化させ、知識資産を活用しながら部下のモチベーションを高める必要がある
プリサイト式ナレッジマネジメント(SECI)の活用事例
- 四輪R&Dセンターでのナレッジ活用事例(株式会社本田技術研究所)
Hondaは軽自動車のN-BOXをはじめ、グローバル機種のCIVICやACCORD、CR-V、スポーツカーのNSXなど、さまざまな四輪車を提供している。また四輪車だけでなく、二輪車や発電機、芝刈機などの汎用製品、Honda Jetなど、モビリティに幅がある。本田技術研究所はそのHondaの研究開発部門である。
同社の一部グループでは、CAE(Computer Aided Engineering)のレポートやマニュアルなど情報が属人化してなかなか解消されず、ドキュメント探しによる時間のロスや、技術伝承漏れの発生に課題を感じていた。
- 計量機器・POSメーカーのナレッジ活用事例(株式会社寺岡精工)
寺岡精工は、スーパーマーケットなどの流通小売業界をはじめ、生鮮加工センター、食品製造工場、物流センター、サービス・飲食店舗に向けた、電子機器、システム、サービスを提供する総合ソリューションメーカーだ。日本初の「寺岡式敏感自動バネ秤」製造から始まり、世界初の電子料金秤、サーマル印字方式バーコードプリンタ、自動計量包装値付機、セミセルフレジ、次世代型のスマホレジ(Shop&Go)など、「新しい常識の創造」を続ける、業界のリーディング・カンパニーでもある。
そんな同社では、開発者の技術・ノウハウが社内のデータベースに文書化して蓄えられているにも関わらず、「気付かない」、「探せない」ことが理由で、共有や活用が進まない課題を抱えていた。