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2021.12.03 マーケティング便り

IT経営者が起こした「夫婦別姓裁判」の判決は? [マーケティング便りvol.36]

図研プリサイト 神原 由美 2025.02.28

ここ数日、関東圏での地震が頻発しています。1日1回ははっきりと体感できる揺れがあり、心配は増すばかりです。朝晩冷え込み、布団の誘惑に勝てない息子も、今朝方の山梨県を震源とする地震ではスタッと飛び起きてきました。新手の目覚ましでしょうか。3歳眠り姫は動じずでしたが。。。

和歌山でも震度5弱の地震があり、「日本沈没」というワードが脳裏を過ぎる、師走の朝です。豪華キャストには惹かれるのですがタイトルに恐怖を感じるためドラマは観ていないのですが、年末年始を少しでも心穏やかに過ごすため、今一度防災対策はしっかりしておこうと思います!

今回のピックアップ記事はこちらです。

結婚の際に妻の姓に変えたサイボウズの社長 青野憲久さん。戸籍の上では「ニシバタ」さんです。改姓したことによる様々な苦痛に直面し、選択的夫婦別姓の訴えを起こしますが、司法の反応はけんもほろろ。夫婦同姓を義務付けている国は世界で唯一日本だけで、国連からもたびたび「差別的制度」との勧告を受けています。日本特有の問題ですが、議論すら進まない状況は、ジェンダー格差の根深さを象徴しているようです。

私は青野さん同様、職場で旧姓を名乗っている一人です。そうです、実は神原由美は戸籍上は存在しておらず、多少悪名が流れても私生活には影響がないのです。こんな子供じみたことを考える不真面目なヤツがいるから法改正も滞ってしまうのでしょうか。。。否、野田聖子議員の言う、一部の議員の「伝統」を重んじる影響力の及ぼすところに違いない。

私が旦那の姓に改姓したのは、私は女であり、結婚=旦那の姓を名乗る「当たり前」に則ったからに他なりません。当たり前であり、若いころにおいては「憧れ」でもありました。好きな人が変わる度に妄想で上書される異なる姓。

しかし、現実はというと、確かに諸々の手続きが面倒くさかったです。そんな手軽に書き換わらない。。。記事にあったように、一切合切の登録を変更しなければならず、これまた記事の通り、有休を消化して諸手続きを一気に済ませたことが思い起こされます。ただ、不便に感じたり、面倒だと思ったのは、私の場合はその手続きに要した時間くらいだったように思います。

旧姓を名乗り仕事を続けることを選択した1番の理由は、「神原」の文字面がとても気に入っていたからです。本名よりインパクトがあり、覚えてもらいやすいだろうと思っています。しかし、今となっては、「神原」と名乗り続けることで、一個人のアイデンティティが保てている。そんな風にも感じます。社内ではお金の関わる場面のみ、本名での処理や捺印が必要なので、今でもややこしさはあります。シャチハタ2個持ちです。私のバックボーンであり、根幹の部分を占めるのはやはり旧姓で過ごしてきた時間・経験です。旧姓を名乗る場があるだけで、自身の中では夫婦別姓を成立できているような気持ちもあります。

同姓婚に対しても同意見なのですが、「そうしたい人だけが選択すればいい」というスタンスでの訴えにも関わらず、その選択すら与えられないというのは、私のようにそこに一種のアイデンティティを重ねる者にとってはとても生きづらい世の中というものです。

夫婦別姓の判例について調べてみたところ、2015年12月の最高裁棄却以降、翌年2016年10月に職場での旧姓使用を求めていた女性高校教師の訴えが、東京地裁で棄却されているとのこと。訴訟内容が、保護者向けの手紙、出席簿、通知票などに旧姓を引き続き使用する許可を求めるものであることに対し、地裁は棄却理由として、「職場で旧姓を使っている女性は全体の約4分の1」という調査結果を引用し、旧姓使用が「社会に深く根付いてはいない」との見解を示しています。なんと、2016年時点で企業での旧姓使用が法的に認められていないのみならず、私自身国内においてマイノリティだった事実が判明しました。この2016年時点で、法務省の法制審議会に「選択的夫婦別姓」を求める民法改正案が提出されから既に20年が経過しています。

 「伝統」を覆すには「民意」が必要という結論にも納得です。しかし、その時は近づいてきているように思います。

1976年に法務省が実施した調査では、回答者のうち3分の2に近い人々が現行法のままでよいと答えていたようですが、2012年の調査では3分の1強に減少していますし、さらに減少は加速しているのではないかと予想します。記事にもあるように、野田聖子議員は四半世紀にわたってこの問題について権利を主張しているわけですが、「当たり前」を覆すためには、半世紀~1世紀は必要なのかなと思います。民意がついてくる=パラダイムシフトなのかなと。世代が変わると民意に反映され、当たり前も変わる。世界的に男女平等や機会均等を訴える風潮も後押ししますし、もうあと一息なのかなぁと感じたりします。

さて、夫婦別姓の問題からアイデンティを考える頭の片隅でちらつくのが「墓」というのは、私だけでしょうか?どこに埋骨されるのかを結構考えたりします。ちょっと暗い気持ちになってきましたが、今は「神原」タイムですのでその問題には目を背けておくこととします。。。

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