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2022.08.05 マーケティング便り

どこも悪くないのに、何故しんどい!?[マーケティング便りvol.51]

図研プリサイト 神原 由美 2025.03.05

この1週間、夏休みに突入した小5男子と夏風邪をこじらせている4歳女子と、引きこもり生活を送っています。幸いPCR検査は陰性だった娘ですが、熱が上がったり下がったり体調が落ち着かず。なのですが、基本は元気なため、お相手するのに疲弊してしまいます。キーボードを死守したり、Webミーティング最中にイヤホンのコードを引き抜かれないよう、仕事の際には細心の注意が必要です。お兄ちゃんが気が向いたときに行う、ウルトラマンとポケモン図鑑を用いた果てしないキャラ読み上げタイム、そしてAmazonプライムが救いです。お一人様で仕事ができる時間、プライスレス。来週には復調し、気兼ねなく夏休みに突入したい!そう願いつつ、今週もラスト半日奮闘します!

今回のピックアップ記事はこちらです。

『なんとなく不調』、身近に増えている感覚があります。コロナはそれまで「遠い過去」や「想像上の未来」の出来事だった地球レベルのパンデミックを現実化しました。多くの日本人にとって、戦争と同じくらい自身の身にふりかかる事とは想定していなかったと思います。2年経った今も出口が見えない中、withコロナを日常として過ごしていても、意識の奥底ではストレスが蓄積しているのでしょう。自立神経失調症と症状が酷似する適応障害やうつ病などのこころの病。年を重ねると更年期障害の可能性も出てきます。有効なのは神経科なのか精神科なのか。素人で判断するのはなかなか難しいところです。

「自律神経の乱れですね。」という結論に落とし込まれて、漢方薬のお世話になること早4年半になります。私の場合は原因が出産とはっきりしていたのですが、血圧が急上昇したりそれに伴う激しい頭痛で、もう死んでしまうのではないかと毎日不安で仕方ない日々を過ごしていました。CTを撮っても、血液検査をしても異常無し。二言目に医師が口にするのは「自律神経ですね。適度な運動、睡眠、ストレスを溜めない生活を心がけてください。」というもの。自律神経についても必死で調べましたし、この記事に書いてあるような交感神経と副交感神経の仕組みも頭では理解しているつもりです。もちろん素人レベルではありますが。分かっていても症状はすぐに改善しませんし、問題は何よりいつまで続くかわからない、いつまた不調になるかわからないという、漠然とした「不安」が付きまとうことにある気がしています。不調が不安を招き、また不調に繋がっている、負のスパイラルに陥いる印象です。

この「不安」が引き起こす不調であったり、パフォーマンスの低下について、脳科学の分野ではまた別の視点で解明されています。2020年翻訳小説部門で本屋大賞に輝いた韓国作家の小説「アーモンド」をご存知でしょうか?扁桃体が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生男子が主人公のストーリーなのですが、この扁桃体の形がアーモンドに似ていることから、そのまま「アーモンド」と称されることもあり、この本のタイトルにもなっています。

脳は不安や脅威を察知すると、このアーモンドのもつ「HPA系」というストレスシステムを作動させます。これは我々の祖先が生存のために「闘争か逃走か」という究極の瞬時判断と、判断後に行動を起こすために発達してたものとされています。野獣に取って食われるような、現代よりはるかに危険の多い世界を生き延びるためには、このシステムの発達が不可欠でした。危機に際し、闘うにしろ逃げるにしろ、鼓動を早め筋肉に血液を送り出してすぐに動けるコンディションに持っていく必要があります。不安や緊張を感じた際にドキドキを感じるのはこの仕組みが原因です。これには相当のエネルギーが必要とされます。普段学習のために割いているような、脳で消費されるべきエネルギーまで持っていかれるため、仕事のパフォーマンスが落ちたり、物理的に体がだるくなったり、「不調」も起こりがちです。

つらつらと綴ってしまいましたが、コロナ禍で先の見えないような「不安」は、常に脳がストレスシステムを作動させている状態、とも言えます。目の前の野獣と闘うかどうかの判断は生死にかかわるものなので瞬時に下せそうなものですが。目に見えないウイルスが敵となると「逃走」する方に判断が傾きがちな気がしますし、これが「なんとなく不調」や、うつ症状としてあらわれてきている、ようにも思えます。一部の学者の間では、こういった不調を脳の「逃走」判断とみなし、ストレス状態から身体を守るための生理的反応と考えられているそうです。脳の生理的反応と考えると、「なんとなく不調」に対してはそんなに「不安」がらなくてもいい、そんな気もしてきます。負のスパイラルからは抜け出せそうです。私が超楽観思考なのかもしれませんが、捉え方の視点を変えると、別の解消策が見えてくるものです。

不調の原因の根本解決は難しいです。コロナであっても出産によるダメージであっても、起こってしまった事実は変えられません。しかし、負のスパイラルからは抜け出すことはできますし、1つ1つ解決に向かって動いていくことはできます。「なんとなく不調」に対して漢方薬が功を奏しているのか、4年半たった今も正直わかりません。しかし、「自律神経の乱れですね。」と一蹴するではなく、真剣に話を聞き、処方してくれる心療内科の医師に安心感を覚えてはいます。「心療内科=精神疾患の人がかかるところ」というマイナスイメージを払拭し、もっと現代の不安や不調の原因に寄り添った医療、という風に社会認識を醸成していく必要があるかなと思います。

記事にもありましたが、総合心療内科に開設した新型コロナ後遺症で苦しむ患者さん向けの漢方外来に予約が殺到した、という事実にも反映されているのではないでしょうか。風邪をひいたら内科と同様に、なんとなく不調なら心療内科に行こう、くらい身近な医療になってもいいんじゃないか、個人的にはそんな風に思います。(医療機関に非はないのですが、今は風邪をひいてもすぐに内科で診てもらえないのが、本当に困った事実です…)

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