PCRを発明した科学者は、陽キャでパリピ!?[マーケティング便りvol.52]
新型コロナウイルス感染者数が減少傾向にある最中、ついに罹患してしまいました・・・
下の子がもらってきたので隔離も難しく、腹を括って家族集団感染からの集団免疫獲得を目指す方針を定め、実行。見事、3日間のうちに全員が順に症状発症し、今のところは落ち着きを取り戻した状況です。大人のピークがズレたこともあり、難をしのいだ印象です。この2年は秋に感染者数が減る傾向にありましたが、今年もその時期にさしかかったのでしょうか。行楽の秋を楽しめるよう、今しばらく引きこもり生活に徹します。
今回のピックアップ記事はこちらです。
今回ピックアップしたのは、新型コロナの検査方法として誰もが知るPCR法の開発者キャリー・マリス氏のエピソードを紹介したサーフィンニュースサイトの記事になります。突き抜けた天才には変人が多いですが、マリス氏はとりわけ破天荒な人物だったらしく、サーフィン・女性・酒・ドラッグをこよなく愛する学会の異端児でした。PCR法は医療のみならず、DNA鑑定などの犯罪捜査にも応用されている画期的な発明ですが、あまりに簡単な方法だったので専門家達は当初その重要性を理解できなかったそうです。1993年にノーベル化学賞を受賞し、コロナ禍直前の2019年に逝去されています。
PCRのアイディアはマリス氏がデート中に思いついたとのこと。お相手の彼女がいなければPCR法が世に広まることはなかったかもしれない?!と考えるとマリス氏はもちろんのこと、その女性にも感謝の念がこみ上げてきます。彼女にフラれたことにがきっかけで誕生した(と言われている)Facebook と比べるととても平和的でステキなエピソードです。
マリス氏は確かに破天荒な印象ではありますが。研究者とて人間ですし、自身の研究だけに人生を捧げており、趣味も友人関係も酒もないよ!みたいな「生粋」の研究者像は、我々外から見てる人間が押し付けているものではなかろうか?とも感じます。また、世紀の大発明や大発見と称される類の報告も、結構な割合で「偶然○○している最中に起こった、思いついた」というエピソードが添えられることが多い気がします。私個人にしても、例えばこどもとの会話の中からヒントを得て仕事に活かしてみようと思うことも、全く仕事に関係ない本からインスパイヤーされることも多々。人によりけりかとは思いますが、世の中との接点が多かったり、多少破天荒と捉えられる生き方の方がその「偶然○○」を得る機会は多いのではないでしょうか。(こうしている今も娘が私の背中に付箋を貼りまくっているわけですが、怒る前に「偶然○○」にならないものかなと・・・)
記事の最後に書いてあったマリス氏の価値観がとても印象的なので、少し長いですが引用します。
ブロードな(広い)知識とナローな(狭い)知識という言い方があるだろう。私は、この言葉を普通の人とはまったく別の意味で使いたいんだ。私はつねにナローな知識に注目する。ナローな知識こそ、ブロードな世界を説明することができるんだ。たとえば、ある物質に関する有機化学。それ自体は狭い専門知識だけど、この世界のすべての局面と連結する細部を含んでいる。そういう風に世界を見たいんだ。ブロードな知識は表層をなぞるしかできないからね。
私は生物学、科学、数学、物理学といったいわゆる理系の学者が、マリス氏の言うところの「ナローな(狭い)知識」から広げてくれる世界感がとても好みです。例えば最近で言うと、物理数学者が著した経済に関する書籍がとても面白く、理解しやすく、かつ深みを感じられるものでした。著者からするときっとナローからブロード(広い)知識に広げる視野で書かれているのですが、上っ面だけしか経済を理解していない(しようともしていなかった)私からすると、新しい斬新な視点に満ち溢れており、興味が急激に増しました。
ナローからブロードを考え、最もシンプルな表現に落とし込まれた結果がPCR法であり、それはマリス氏がおそらくデート時から私欲ではなく地球目線でサイエンスに向き合ってきたからこそ成せたことなのだろう。素人ながらにそんな風に思える記事でした。サーフィンからはどういった影響を受けていたのだろうか?少し気になってきたので、「マリス博士の奇想天外な人生」も読みたい書籍リストに入れておこうと思います。